押し込みと「押す(圧)」は違う
〜アルパは触れるだけでは鳴らない〜
前々回のコラムでは、避けたいフォームのひとつとして
「押し込み型」について書きました。
弦を下に押し込むように弾くと、音は固くなり、
流れも止まってしまうからです。
しかしここで、ひとつ大切なことがあります。
押し込みと、押すこと(圧)は違う
ということです。
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押し込みとは、弦を下方向に押し込み、エネルギーを弦の中で止めてしまう動きです。
この状態では
・音が固くなる
・流れが止まる
・次の音へつながらない
という問題が起きます。
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一方で、演奏の中には弦にほんの少し圧がかかる瞬間があります。
この圧は、弦を止めるものではなく、弦を通るための圧です。
弦に触れた瞬間、ほんの少し圧がかかることで弦は押し返し、その反動が音を立ち上げ、次の音へと流れていきます。
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アルパは
触れるだけでは鳴りません。
弦に触れたとき、わずかな圧が生まれることで弦は振動し、
音が立ち上がります。
押し込んではいないけれど、弦の反動を生むだけの圧は自然に存在しています。
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アルパの音は、押して作るものではありません。
でも、
触れるだけでも鳴りません。
押し込まず、しかし触れるだけでもない。
その間にあるわずかな圧が、アルパの音を生みます。
大切なのは、押すことではなくエネルギーが止まらず通ることなのです。