音は、弾いた瞬間に鳴っているように感じます。
でも実際には、その前の「触れる瞬間」から「弾いて」その後、
「どこへ抜けていくか」で決まります。
弦にどう入るか。どの方向で触れるか。
その入口が整えば、音は自然に立ち上がります。
けれど、それだけでは音は完成しません。
音が本当に“鳴る”かどうかは、その後、どこへ抜けていくかで決まります。
押し込むと、音は止まります。
触れるだけでも、音は立ち上がりません。
弦に触れたエネルギーが、そのまま内側を通り、出口へ抜けていく。
その「出口」があるとき、音は自然に伸びて、次の音へとつながっていきます。
入口は、音の始まり。出口は、音の行き先。
この2つがつながったとき、はじめて音は“流れ”になります。
「弾く」という動作に意識を向けると、
どうしてもその場で完結させようとしてしまいます。
でも実際には、音はそこで終わっていません。
触れた瞬間に生まれ、抜けていくことで生き続けています。
音は、どう入りどこへ抜けるかで決まる。
この感覚が見えてくると、無理に鳴らそうとしなくても、
音は自然に立ち上がります。
そしてそのとき、指の通り道や流れの見え方も少しずつ変わっていきます。
次回はこの通り道について書こうと思います。